蒸気機関車… それは遠き昔に存在した乗り物である。
今では個人の思い出や博物館の展示車輌、一部で観光目的による運行を主とした実動可能な動態車輌を
体験することだけでしか、その姿を見るに過ぎない。
蒸気機関車の姿とは、人によっては人生模様の様々な場面の中の記憶に存在し、
その姿を改めて見るにつけ郷愁溢れるばかりの回顧の念があるだろうし、
また、乗車経験どころか見た経験もない人にとっては、何かしら浪漫を感じ、それに想像を掻き立てる乗り物であるだろう。
国内外を問わず、主要な交通機関の代表格として君臨していた蒸気機関車。
日本では昭和30年頃まで全盛期を迎え、少なくとも昭和40年代後半まで何らかの形で走り続けていた。
しかし現在では、一部の観光路線や博物館などでしか、その存在に触れる事はできない。
社会システムの効率化やテクノロジーの進化により登場した電化車両は
蒸気機関車が活躍していた頃に比べ、より便利により迅速に、より快適に我々の生活を向上いたらしめた。
つまり蒸気機関車とは、現代の近代社会の基礎的役割を果たした象徴のひとつだと述べても過言ではないだろう。
非常に奇妙な事と思われるかも知れないが、俺は蒸気機関が現役で走る姿を日常の生活の中で目撃していた経験がある。
私が産まれ、幼少の頃に育った地区には国鉄(現JR西日本)貨物線があり、その牽引車として日々蒸気機関車が活躍していたのであった。
確か昭和47年前後の事であるかと思う。私が小学生になる前までは本当に走っていた。
その頃になると、段階的に路線の電化が進み、木造車輌から鉄製やアルミ合金の強靭な新型車輌が登場し始め、
また路線も高架線化の工事が頻繁にあり、急速的に今で言う「電車」と呼ばれる形態になりつつあった。
この世で初めて見る列車というのもが蒸気機関車であった訳である。俺はそれを当たり前のように眺めていた。
その蒸気機関車が走る姿は、普段の風景であったのであるが、濛々と吹き上げる黒煙、メカニカルな動きをする動車輪、
時には二連結して鉄橋を渡ったり、バックで走行する時もあった。
遠くまで鳴り響く轟音のような警笛が記憶なのは確かなのだが、
今では妄想であったかのように脳裏に浮かび上がる・・・
あの威風堂々とした蒸気機関車の姿は、子供ながら毎日毎日興味の的であった。
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という訳で、俺なりの蒸気機関車のウンチクを垂れてしまいましたが、
蒸気機関車ってのは男のロマンですわね〜。(ノ´∀`*)
それで、そんな事がネタになろうとは思いもせず、またフラフラ〜と
ある春の日に紀北の広域農道をはしっておりますと・・・とぉ〜〜〜!?
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おっ?おおっ!?
怪しげな物体が!?(`・ω・´;)
そして、そこに近づいていきますと・・・ |
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| ぬおぉ〜!! 蒸気機関車だぁー!!! |
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| 立体視動画で存在感を出してみる。 |
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ここは和歌山県岩出町(注参照)にある根来SL公園である。入場料金は無料。
非常に開放的な展示形態で日曜日には当時の機関車整備士の方々が
車輌について説明してくれたりします。
現在では滅多にお目にかかれない蒸気機関車を来て!見て!触って!!楽しむ事ができます。
尚、この車輌は静態保存という外観をできる限り修復し保存していますので、
実際には走行できません。
梅小路や大井川鉄道などで走行している機関車は動態保存という呼び方をします。
現代の鉄道車輌とは全く構造の異なる蒸気機関についての知識を思う存分勉強できます。
注:那賀郡岩出町は2006年4月1日に岩出市となりました。
根来SL公園の公式HP
http://www.town.iwade.wakayama.jp/d51iwade/d51iwadetop.htm |
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| D51-930の概要 |
| 製造年月日 |
昭和18年11月30日 |
| 製作工場 |
川崎車輌 |
| 総制作費 |
3,239万4,045円 |
| 全長 |
19,50m |
| 全高 |
3,98m |
| 全幅 |
2,936m |
| 車両重量 |
| 86,70t(総重量) |
| 68,50t(機関車) |
| 18,20t(炭水車) |
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| 動輪直径 |
1,4m |
| 石炭積載量 |
8,0t |
| 炭水総容量 |
20,0t |
| 最大出力 |
1,565ps |
| 総運転走行距離 |
1,404,453.2km |
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| 昭和 |
18年11月30日 |
製 造 |
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18年12月29日 |
東海道線 米原機関区 |
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23年8月23日 |
北陸本線 敦賀機関区 |
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37年5月4日 |
北陸本線 金沢機関区 |
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39年6月21日 |
中央本線 上諏訪機関区 |
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40年7月3日 |
紀勢本線 紀伊田辺機関区 |
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47年11月7日 |
廃 車 |
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48年1月14日 |
和歌山県海南市に貸与 |
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48年2月7日 |
みなと公園にて一般公開 |
| 平成 |
10年6月 |
公園閉鎖に伴い仮保管場所に移動 |
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14年11月27日 |
和歌山県岩出町に譲渡 |
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15年5月17日 |
現展示場(SL公園)に移動 |
(D51930保存会資料 抜粋) |
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所謂デゴイチと呼ばれる蒸気機関車です。
機関車の構造等解説すると膨大な時間がかかるので、是非とも…
来て!見て!触って!
…して貰った方が大変よろしいかと思います。(百聞は一見に如かず)
しかしながら、蒸気機関車というのは想像以上に
すんごぉ〜い!メカニカルだ!!
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もう既に過去の遺物化している蒸気機関車だが、それぞれの機械的機能は素晴らしいものがある。
特に当時からATS(自動列車停止装置)が付属されていた事には驚きである。
尚、現代のシステム操作とは違うようなので、それは現地で聞いてください。
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| 駆動軸(ピストン棒)潤滑装置 |
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車輪滑り止めの砂出し口 |
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ATS(自動列車停止装置) |
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| ブレーキパッド |
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蒸気ピストンと動輪駆動軸 |
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錆 |
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次に機関車の動力源とも言うべき火室&煙室内部を見学させていもらった。
非常に貴重な体験である。
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| 煙室の巨大な鉄の扉を開けいる最中。 |
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当時のお話を聞くに、火室やボイラー内を無火検査という作業を1ヶ月に一度程度されたそうです。
無火検査とは、ボイラーの火を完全に落として、内部の清掃点検修繕を行う作業を言います。
通常、蒸気機関車は機関区(車庫)に戻っても火を落とさず、24時間石炭を入れてアツアツにしてるそうです。
一度火を落とすと、再起動するまでに5〜6時間程度要したといいます。あと余談ですが・・・
無火検査の火室清掃中によく先輩の整備士に閉じ込められたらしい。
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| 煙室の大煙管(上)と小煙管(下) |
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煙室内部から煙突を見上げる。 |
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機関室内部は錆だらけ… |
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| 焚口炉開放ボタン |
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炭水車の石炭 |
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火室内部 |
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次に男なら誰しも憧れる運転室を見学します。
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運転室内部は様々なハンドルや計器類が所狭しとあった。
現代の電子制御に比べれば、それぞれの動作において行う手動作業が多い。
リバースさせるのにもアラユル機械操作を行わないとできないらしい。
簡単に述べるとアクセルは加減弁ハンドルというレバー状のもので、
逆転機がリバースする時に使用するハンドルである。
思いの外、興味の尽きない展示内容に満足した。
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<<<<< 尚、オマケで当時の蒸気機関車整備士との一問一答 >>>>>
● 蒸気機関車D51-930の最高速度は?
約80〜90km/hくらい。
● D51-930を実際に走らせる事は可能か?
静態保存された時期が長いので、内部がボロボロ。復活には、かなりの分解整備作業が必要。
● 現代でも蒸気機関車を定期的に運行する事は可能か?
石炭を燃やす以上、公害の問題があるので難しいし、運行には多大な人員と設備が必要…等。
● 電気はどうしているのか?
機関内部にジェネレーター(発電機)がある。
● 銀河鉄道999のC62型とD51-930ならデゴイチの方がエライ?
型式的に言えば、それぞれ動輪がC形は片側三輪、D形は片側四輪なので930号の方が形式的には上かな?
でもC62は優等旅客列車をよく牽いていた。C62もD51もデンダー式(炭水車牽引)です。
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| 助手席車窓から・・・ |
オマケA |
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| 和歌山県和歌山市の岡公園に静態保存されているC57-119号 |
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<<<<< 蒸 気 機 関 車 知 識 集 >>>>> |
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| ----- SLとは何か? ----- |
| Steam(蒸気) Locomotive(機関車) |
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| ----- 日本最大の蒸気機関車とは? ----- |
| 概論的にはE10形蒸気機関車。動輪5軸を有する。これはタンク式(炭水車無し) |
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| ----- 日本の幻の蒸気機関車とは? ----- |
| C63形蒸気機関車。設計段階まで進んだが未製造。 |
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| ----- 世界最大の蒸気機関車とは? ----- |
| これも一般概論的に言えば、米国の4000型蒸気機関車。通称ビッグボーイ。 |
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| ----- 世界最速の蒸気機関車とは? ----- |
| イギリスのマラード号。最高速度記録は時速202km。 |

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