クラッチ交換(ミッション脱着一式 概要)


大型車のクラッチのオーバーホールです。
FF車の場合は左右のドライブシャフトを抜いて
ミッションを外しますが、FR車の場合は
プロペラシャフトを抜いて降ろします。
どちらかと言うとFR車の方が作業し易いですが
このエルフは大型で重量もパンパじゃ無いです。
部品の配置や構造を見ながらどのような流れて
脱着を行うか見てみましょう。
**クラッチが滑る。
**クラッチの切れが悪い。
**動力切断時にギイギイと音がする。

まずジャッキアップして車体を上げ、プロペラシャフト、
セルモーター、各種配線、サイドブレーキワイヤー、
チェンジロッド、クラッチレリーズ
を外します。
ミッションの口の周りにあるネジを外せば降りますが、
エンジンにはジャッキを噛まして落ちないようにし、
また外す際はセンターが真っ直ぐ
(再びエンジンとミッションを
合体させ易いような角度)
になるよう注意します。
ミッションを外すと御覧のようなクラッチカバーが見えます。
随分ホコリだらけで汚いです。
エンジンの出力はこのクラッチ機構を介してミッションに伝わり
減速され、それからデファレンシャルでの減速を経て
漸くタイヤにトルクの大きい動力を伝達されると言う訳です。
クラッチカバーを取った状態です。
言い忘れましたが・・・、
このトラックの場合は排気ブレーキがあり、その装置が
ミッションの真横にあり作業に邪魔なので外してあります。
ガラ〜〜〜〜ンとしてます。
(排気ブレーキ機構はマフラーチャンバー前です。)
外したセルモーターです。
24Vの強力なものです。
ギヤ等にこびり付いた汚れを綺麗に取っておきます。

新旧のクラッチカバーの比較です。
そんなに変わりないように見えますがクラッチ板を
圧着するスプリングが若干へタレ気味でしょうか。
新旧のクラッチ板の比較です。
やはり古い板は表面が擦り減ってて薄いです。
焼けていて溝もかなり減ってます。



ミッション側にはスラストベアリングレリーズフォークが付いてます。
まず、それぞれを外し、汚れた内部をスチーム等で綺麗にします。
よく乾かした後、新しいベアリングを入れます。
ベアリング内輪やフォークには十分にグリスを塗布します。
メインシャフトにも塗ります。
(専用グリスには「クラッチスプライングリス」というのがあります。)
フラッチペダルを踏んだ時にギイギイと音がするのは、
フォークの支柱部分がグリス切れで擦れて鳴っているのです。
ここは念入りにしておきます。
まずクラッチを仮付けしてセンターを出します。
メインシャフトがカバー&板&パイロットベアリングに
真っ直ぐ貫通して挿入できるように中心を出すのです。
軽自動車くらいであれば若干ズレていてもナントカ入るんですが
これくらいの大型になると、少しズレても素直に入りません!!!
マジで入りません!!!
では、どうするかと言うと・・・・・・・・。
特殊工具で楽にセンターを出せる妙品があるのですが・・・、
ソンナの無いので眼と勘だけでセンターを出します。
ブッタ切った似たようなシャフトを突っ込んで出す方法も
あるにはあるんですが、この方法の方が確実ですし、
いつもこういうやり方ですんで慣れてしまいました・・・。(笑)
今の所、100発98命中ですかね・・・。
「うううぅぅ〜〜〜ん.........コンナもんかなぁ〜??」
センターを出したら、カバーをキッチリ付けます。
ネジは対角線の要領で順次締め込んでいきます。
締め込んでいくと圧着スプリングが押されて中へ入っていきます。
無理をしないで順々に締めていきます。
なお、クラッチ板には前後の方向があるので、反対に付けたらダメです。
無論、センターを出す仮付け時に確認しておきます。



いよいよミッションをエンジンと合体させます。
ミッションジャッキに安定するように載せます。
シャーシに当たらないように注意しながら徐々に
進めて行き、エンジンとミッションが一直線になるように
メインシャフトがセンターに入るように入れていきます。
角度とセンターが合っていれば必ず入ります。
コツとカンがモノを言う作業行程です。

(我ながら、上手く載っていると感心してます。)

ナントカ無事に合体しました・・・・・。
あとは外した各部品を組み付けていきます。

全て組み付けが完了したらシャフトのジョイント部に
シャーシグリスを注しておきます。
大型タイプ車にはグリスを注入するニップルが付いてたり
します。
作業が完全に終了したら試運転をして終わりです・・・。
使用工具は御覧の通りです。
特徴はロングの継手棒、大きなラチェット、
インパクト・エアレンチ、エアガン、前にもある
クラッチスプライングリスといったのがあります。

 ギアチェンジ付きのクルマには、エンジン動力の伝達&切断の為のクラッチ機構があるのですが、
それに不具合が起こる原因としては、その自動車の用途や運転者の技量等によります。
上手な人の場合ではクラッチ板が擦り減る前にカバーの圧着スプリングの減損が最初に出てきたり、
重い荷物を頻繁に運送するような自動車では、減りが早い傾向であるとかがありますが、
飽くまでケースバイケースなので何とも言えません。

 FF車(前輪駆動車)よりはFR車(後輪駆動車)の方が作業が容易な傾向にあり、
軽トラックの作業においては、かなり短時間で済む場合があります。
4WD(全四輪駆動車)は地獄です・・・・・。

 追記ですが、ミッション内にはミッションオイルが入っています。ミッションを降ろす際、
斜めになったりするとオイルが後部から流れ出すことがあります。
これは、プロペラシャフト前部先端がミッションに直接挿入した状態で入っている車体がそうで、
降ろす前にオイルを抜いたり、漏れ防止の専用栓の取り付けで対処できます。
上記作業車の場合は、シャフトとミッションの間に「サイドブレーキ機構」があり、ブレーキドラムを
外さない限り漏れる心配はありません。
(この度の作業ではオイルは交換しますので、事前に抜いてます。)

症状 原因 対策
クラッチが滑る。クラッチの切れが悪い。 クラッチ板の減損 <クラッチ(板&カバー)交換 X > <スラストベアリング X >
動力切断時にギイギイと音がする。 レリーズフォークの油切れ 給油 L
その他 <ミッションオイル交換 X > <サイドブレーキ A>
その他 プロペラシャフト・グリスアップ L


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